企業の情報システム構築はまず社員意識の構築から(1)

 卒業以来30年余りの期間、企業の中での情報システム作りとその活用にかかわってきました。そんな中でつくづく、「企業の情報システムは人間系」だと思っています。つまり同じお金と期間を掛けても、企業にとってよい情報システムになるかどうかは、それを企画し、導入し、そして活用する人間次第だと感じています。
 ごく最近も何社かで同じ様な話に遭遇しました。企業の会計や販売管理、生産管理などの基幹業務システムの構築には、平均でも二年位は掛かります。統合テストも峠を越え、システム移行の時期が近づきますと、どの会社でも新システムのユーザ説明会が開催されます。しかし、それが散々な結果になる企業が少なくないのです。説明会に参加した各ユーザ部署から、「こんなシステムは使えない!」「どうしてこんなものを勝手に作ったんだ!」と大合唱が起きてしまうのです。
 当然、その情報システムの本番移行は延期となり、構築内容の見直しが行われます。最悪の場合、構築した情報システムは破棄されます。そうなりますと担当した情報システムの責任者は更迭、制作に携わって情報システム会社はそれまでに受け取った開発費の大半を返却した上で契約解除と言う悲劇が起きます。
 二十年前、三十年前ならいざ知らず、今どきこんな話があるだろうかと疑問に思われる方も多いと思います。しかし、現実にはこのような悲劇は現在も数多くの企業の情報システム場面で、発生しているのを眼にします。
 このような悲劇はどうして起きるのでしょうか?結果として責められるのは、企業の中の情報システム担当者や情報システム会社です。「なぜもっと良くユーザの声を聞かなかったのか」とか「専門家なんだから、こんな事態は予測できただろうに」とか、経営陣からは厳しい声が浴びせられます。
 しかし、悪いのは本当に企業の中の情報システム担当者や情報システム会社だけなのでしょうか? K
(次回に続く)

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投稿者:KAINOSHO [ 管理者編集 ]

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