わざの伝承とブランド創り

「神は細部に宿る」と言われます。リーダー(社長)が大きな方向付けを行い、メンバー(社員)を導いていこうとするとき、問題になるのが日々の実務をこなしていく上での「細部」に渡る部分です。組織や企業の「DNA」をうまく伝承できているところでないと、現場での「細部」の活動がばらばらになってしまい、目標の達成に至りません。
ブランド構築でも同じことが言えます。企業の存在意義や社会的価値を正しく社員に伝えることが出来ていませんと、いくらブランド価値を発信しても、市場からは「単なる宣伝で、実態は別」と見抜かれてしまいます。それでは、どのようにすれば企業のDNAやブランドの心をすべての社員に伝えることができるのでしょうか?
%E3%82%8F%E3%81%95%E3%82%99%E3%81%AE%E4%BC%9D%E6%89%BF
今月、日外アソシエーツから発刊された「ビジネス技術 わざの伝承 ものづくりからマーケティングまで」の中に、その答えのひとつを見つけました。著者の柴田亮介氏は広告代理店の最大手「電通」で長年、マーケティングに携わってきた経験から、企画やマーケティングといったマニュアルに書いて伝えることが難しい分野の知恵の伝承をいかにして企業は行っているかを、実例を示しながら解説しています。
著者はその心を「わざを伝えようとする上司」と「わざを得ようとする部下」との間の、真剣な関わりであり職場環境にあるとして、日本の伝統的な伝承芸能である「能」などと企業での師弟関係との共通点を指摘しています。
インナーブランディング活動を進める上でも、部門や個人も目標設定と同時に、社内や職場でのコミュニケーション、特に上司と部下との人間関係作りが重要な要素を占めます。 近年、成果主義などの「ドライ」な人事制度の乱用もあって、日本の企業の中での師弟制度が崩れつつあります。
団塊世代の一斉退職という2007年問題が現実のものとなってきた今日、日本の企業も職場での師弟関係の中で伝えられる「知恵」の部分にもう一度注目する時期が来ているのではないでしょうか?  K

研修・セミナーはこちら 提供サービスはこちら

投稿者:KAINOSHO [ 管理者編集 ]

このページのトラックバックURL:
http://www.kainosho.com/mt/mt-tb.cgi/38

"わざの伝承とブランド創り"へのトラックバックはまだありません。

コメント

"わざの伝承とブランド創り"へのコメントはまだありません。

コメントを投稿してください(タグは適用されません)




保存しますか?


PAGETOP