情報システム要員とモチベーション(1)

 情報システム要員の仕事が、いつしか3K(汚い、危険、キツイ)職場と呼ばれる様になってから、随分年数が経った。30年目には、理工系学生の配属先として人気の高かった情報システム部門は、どうして3Kと呼ばれ学生から嫌われる職場になってしまったのだろうか
 世界的不況による就職難のため、今年に限れば情報システム会社や企業のIT部門での採用も出来ているかも知れないが、不況になる以前はどんな情報システム会社に話を聞くと、「SEのなり手がいない。内定を出してもほかの会社に行ってしまう。」とどの会社も悩まれていた。
 情報システム部門に優秀な学生が集まっていた頃は、最新のテクノロジーであるコンピュータに仕事で携われることが、情報システム部門の人間の誇りだったと思う。しかし、コンピュータの普及とコモディティー化に連れて、仕事そのものに対する希少価値が薄れていったことも、情報システムの仕事が不人気となった一因だろう。
 昔からよく「システムは夜作られる」と言われたように、情報システムの構築に関わる仕事では長時間勤務が常態化しており、システムの切替えなどで休日出勤も多い「キツイ仕事」であることは事実である。しかし、そんな環境の中で要員の「モチベーション」を支えてきた「仕事の希少価値」の喪失は現在の大きな問題である。
 さらに、情報システム作りを本来業務としない企業における情報システム部門要員には、もう1つの大きな障害がある。それは、情報システム要員として、いくら成果を挙げても出世が期待できないことだ。同期で就社した仲間が、技術部門や営業部門、管理部門などで仕事の経験と幅を広げて、年々ビジネスマンとして成長していくのに対して、情報システム部門に配属された人間は、仕事の専門性がゆえに「専門バカ」としての道を歩むこととなる。
 実際の業績評価においても、「システムをやっている限りA評価はありえない」と嘆く人の多いことからも、現実の厳しさが伺われる。さらに、金融機関を始めとして情報システム部門を子会社化して報酬体系を変え、要員の人件費削減に走る企業も数多く見られる。
 こんな状況の中で、情報システム要員のモチベーションを高めて、情報システム会社を学生に魅力のある職場とすることは、どうすればできるのだろうか?次回は私の考える解決策をご紹介したいと思う。 K

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投稿者:KAINOSHO [ 管理者編集 ]

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