ブランドとルール遵守

 一瞬にしてブランド価値を失墜させてしまうようなニュースが最近も次々と報道されています。
原子力発電の安全性の問題、食品の衛生管理の問題、保険の支払いの問題などなどです。よくメディアで、「俺は聞いていない!」という経営トップの発言が流されますが、あながち言い逃れでもないようです。
 これらの事件に共通する問題は、これらが突発的・偶発的なものではなく、日常的な社員の意識に根ざす行動の結果として生まれている点です。ではどうすれば、このような事態を未然に防ぐことができるのでしょうか?
 人間の社会はルールによってなりたっています。(言うまでもないことですが)
 混雑するホームや電車でのルール、道路での運転ルール、自由に飛んでいるように見える飛行機でも厳しい運航ルールが守られているからこそ、安全が維持できるのです。
 同じことが、皆さんが利用する交通だけでなく、企業のブランド作りでも言えます。
 企業の目指す目標をトップが提示して全社をリードしていくことは欠かせませんが、目標が決まればあとは部門長や社員に任せておけばよいと思ってはいないでしょうか?最近、企業のブランド目標を表すことばとして「サプライズとか感動的価値」などがよく使われます。その場合、「お客様をサプライズさせるためにどう行動するのか」「どんな風にしていかなる感動を与えるのか」という具体策を、経営トップと現場の社員が共有していませんと、「サプライズとか感動的価値」はコピーライターによる言葉の遊びに終わってしまいます。
 会社のルールは単に「法律や規則を守りましょう」ではなく、ブランドを作るための考え方や行動ルールを浸透させることにも注目する必要があります。目的地が決まっただけで行動ルールがなく、ある社員は右側通行、またある社員は左側通行では、事故はなくなりません。
 「俺は聞いていない!」と言わなくてすむためにも、社員の価値観と行動ルールのベクトルがずれていないか忘れずに確かめてみましょう。 K

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投稿者:KAINOSHO [ 管理者編集 ]

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